6月5日(木曜日)から二十四節気9番目の節気『芒種』に入ります。
芒とは稲や麦と言った穀物の穂(のぎ)の先にある突起のことで、その種をまく=植え付ける季節をあらわします。田植えを終えれば梅雨入りです。
梅雨どきは清算のパワーが働くときとも言われています。言葉を変えれば、隠れていたものが表に出るパワーが働くとき。もう運ぶ必要がない、不要なものを表に出すのは開運になります。
これから夏至に向かって陽のパワーがどんどん強くなります。普段はなかなか捨てられない感情や見直したほうがいい人間関係を整えるなら、この時期がおすすめです。
そして迎える6月30日は夏越の大祓。半年分の厄を祓い清めます。
今回は、レイチェル・ポラックの『Dr.アポロのなんでもスプレッド』を用いて、芒種の時期にふさわしいメッセージをタロットカードから受け取りました。このスプレッドは、私たちの意識と無意識、潜在的な危険、祝福、そして今必要な行動を5枚のカードで読み解くものです。
1枚目:「知られしものよ」=戦車(正位置)
すでに意識していること、でももっと深く見直すべきテーマとして「戦車」が出ました。
いま、あなたの中にあるのは強い意志と推進力。前に進みたいという気持ちが明確で、何かを動かしたい、達成したいという意志が確かに宿っています。
しかし、「戦車」は単なる勢いではなく、自分の内にある葛藤や不安、理性と感情といった“二頭の馬”をどうまとめあげるかが鍵。
この時期は、「なぜ進みたいのか」「何のために動くのか」という目的意識を再確認しながら、意志と心のバランスを取って進むことが大切です。
2枚目:「知られざるものよ」=カップの9(正位置)
無意識の領域に現れたのは、願いが叶うカードとして知られるカップの9。内的な満足感、安心、豊かさの象徴です。
まだ意識していないかもしれませんが、あなたの中にはすでに「満たされている」という感覚があります。実現や成果を追いかけるよりも、いまある幸せに目を向けることが鍵。
「もうすでに、あなたは幸せの真ん中にいる」
この気づきが、これからの行動に穏やかな落ち着きをもたらしてくれるでしょう。
3枚目:「危うし」=カップのキング(逆位置)
カップのキングの逆位置は、感情の揺れやコントロールの難しさを表します。
一見穏やかに見えていても、内面では波立つ感情が隠れているかもしれません。
・他者の感情に振り回されてしまう
・優しさの裏にある依存心
・本音が曖昧になりがち
特にこの時期は、自分の感情を無理に抑えたり、人に合わせすぎたりすることで、内側に澱のような疲れが溜まりやすくなります。
こまめに心の換気をして、「私は本当はどう感じているのか?」を見失わないようにしましょう。
4枚目:「幸運よ」=節制(逆位置)
幸運の位置に出たのは、逆位置の節制。
一見すると不調和やバランスの欠如を示すカードですが、今回はそれがむしろ「力」になっています。
・完璧に整えようとしすぎないこと
・ズレや違和感の中に創造性があること
・“ちぐはぐ”を受け入れる柔らかさ
今は、すべてをうまくやろうとしない方がうまくいくとき。清算のパワーは働いていますが、かといって「この機会にいらないものはすべて捨てなければ!」と意気込む必要はありません。一歩ずつ確実に。未完成であることにこそ、生きた魅力があります。
5枚目:「アクション!」=力(正位置)
最後の行動カードとして「力」が出たのは、とても心強いサインです。
これは、静かで芯のある強さ。
・結果を焦らず、今の自分を信じて進む
・何かを証明しようとするよりも、自分に誠実である
・“うまくやる”より、“そのままの自分”を引き受ける
コントロールより信頼。圧力より調和。
「力」のカードが告げているのは、「わたしはわたしを信じている」と言えることが、もっとも力強い行動になるということです。
芒種の季節に寄せて
芒種は、静かに種をまき、見えないところで育つ力を信じるとき。
それは「いま不要になったもの」とやさしく別れを告げる勇気でもあります。
この時期に必要なのは、すでにある満足感を思い出し、感情の揺れに巻き込まれず、未完成を許しながら、静かな意志で前に進むこと。
“戦う”のではなく、“受け入れる”ことで見えてくる道が、きっとあります。
この『芒種』という節気が、
めぐりゆく季節と心の流れを整え、
ほんとうに育てたい「自分自身の芽」を見つめる時間となりますように。
そして、6月30日の夏越の大祓へ。
あなたの中にたまった“半年分の荷物”を、そっとおろしていけますように。
🌿「清算」と「植え付け」は、矛盾ではなく循環
芒種(ぼうしゅ)は、「種をまく」季節。
でも同時に、この時期には“清算”のエネルギーも強く働くといわれています。
いらなくなった感情や関係、
役目を終えたものを静かに見送るとき。
この「清算」と「植え付け」は、
いっけん矛盾しているように思えるかもしれません。
けれど、田んぼの風景を思い浮かべてみてください。
古い稲や雑草を抜き、土を整え、水を張る――それは、新しい苗を迎えるための大切な準備です。
私たちの心も同じ。
もう持ち歩かなくていい思い込みや、
自分をしばっていた「〜すべき」を手放すことで、
これからの自分に必要な価値観や、ほんとうに大切にしたい想いが、そっと芽を出しはじめます。
終わらせることで、始まる。
失うことで、新しい光が宿る。
芒種とは、そんな静かな循環を感じる季節です。
この時期、自分の内側でも小さな「更新」が起きていることに、ふと気づけたなら。
その気づきが、あなたの人生にそっと新しい風を運んでくれるかもしれません。
良い日々になりますように。
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