大雪・後半リーディング(2025年12月13日〜21日)

オラクルカードメッセージ

二十四節気「大雪」の後半に入りました。
今年も残すところあとわずか。
この季節のカードは、いつも一年の締めくくりを映し出すように、
深い内省を促すメッセージを届けてくれます。

― 火が再び生まれる前の「静かな革命」 ―

大雪に入ると、自然は深く眠り、世界がいったん“停止”したかのように静まります。
けれど、占星術やカードの象徴体系が教えてくれるのは、
この静けさこそ、火が再び立ち上がる前の“ゼロの時間” だということです。

今回は、前回のタロットリーディング(Dr.アポロのスプレッド)で示された
「火を使い始める前の決定的な段階」
オラクルカードでも鮮やかに続いていきました。


前回タロットの復習

— 大雪が語った5枚の核心**

今回の大雪で出たタロットは、この一年の総まとめのようでした。

**1. ペンタクルの3・逆

── 他者と歩調を合わせる段階が終わった**

これまで長い間、周囲との調和、役割の維持、
「正しくやること」が優先されてきた時間がありました。

しかし逆位置のペンタクル3はこう伝えます。

あなたはもう“共同作業のフェーズ”を卒業している。
これからは、自分だけが見ている景色へ進む段階。

他者と同じペースで、同じ方向へ歩く必要はもうない。
それは2025年という「塔と死の年」にふさわしい“離脱”でした。

**2. 運命の輪

── 変化はすでに始まっている**

動き出すタイミングはもう来ている。
ただしそれは“外へ動く”という意味ではありません。

内側の歯車がすでに回りはじめ、
もう元の場所へは戻らない。

運命の輪は外側よりも、
むしろ「内的運命の始動」を強く示すカードです。

**3. 吊るし人

── 足枷を外す。古い義務・古い関係性から離れる**

吊るし人は「犠牲」という表現がされがちですが、
今回はもっと本質的でした。

あなたを縛っていた価値観・役割・関係性の“意味”が
完全に終わっていることを告げている。

“もうその場所には魂の報酬がない” という静かな終焉。

外側の義務から自由になれば、
視点そのものが反転し、火の方向が見えるようになる。

**4. カップのキング・逆

── 揺れる感情が、火を起こす**

感情が揺れているとき、
普通は「弱っている」と思うかもしれません。

けれど今回はまったく逆。

揺れは、火が生きている証拠。
水が波打つとき、火がより純粋になる。

火と水の激突。
算命学的にも、カバラ的にも、創造の核心。

これは2025年が「正義」からはじまり、「死と塔」で締める年だったこととも一致します。
感情の揺れは“変容の最後の兆し”なのです。

**5. ワンドのキング

── 情熱の方向へ進む(ただし“外”ではない)**

ワンドのキングは火の達成。
王としての自覚、方向性、決断力。

しかし今回重要なのは、

この火は “内側へ向かう火” であり、
外側へ走り出す火ではない。

これは多くの人が誤解しやすいポイント。
ワンド=行動=すぐ動く、ではない。

火は外へ向けるとすぐ風に散り、弱まる。

今回のワンドキングが示すのは、

「外ではなく、内の王座に座りなさい」
というメッセージ。

この理解があるからこそ、
後半で〈Deep Freeze〉が出ても矛盾しないのです。


🔥 5枚のタロットが語っていた「一本の物語」

5枚を並べると、今年の12月が何を要求しているかが
非常に鮮明に浮かび上がります。

1. 他者と歩く時代が終わり(ペンタ3逆)

2. 運命の歯車はすでに回りはじめ(運命の輪)

3. 古い義務と視点が崩れ落ち(吊るし人)

4. 感情の揺れが火を生み(カップキング逆)

5. 内側の火が王の形をとる(ワンドキング)

つまり――

**“外側の共同作業” から

“内側の創造” への決定的な転換点。**

今年の総まとめにふさわしい物語でした。


🔥💧 前回タロットが示した「水と火の激突」

― 感情(カップ王逆)と意志(ワンド王正)がぶつかる時、光が生まれる ―

■ 🔹カップのキング・逆位置(無意識の揺れ)

このカードは本来、感情を静かに統べる“水の王”です。
しかし逆位置では、抑えこまれていた感情が揺れ動くことを意味します。

普段なら「不安」「迷い」と読まれる場所ですが、
今回は 幸運の位置 に出た点が重要。

揺れること、迷うこと、心が波立つこと。
これが “火が戻りつつあるサイン” になっていました。

なぜなら、
感情は水。 意志は火。
水が揺れると、火が生まれやすくなる。

これは算命学でも「水火激突」といって、
葛藤こそが芸術家の魂を生み出すとされる組み合わせ。


■ 🔹ワンドのキング・正位置(行動の火)

ここで登場したのが火の王。

ワンド王は「外側に向かう行動」を象徴するカードですが、
前回のリーディングで示されていたのは
外側への活動ではなく、内側の“火の主体性”を取り戻すこと。

行動とは「外に向かって動く」ことではなく
「自分の本質に従う選択」だ

という、非常に深い定義が示されていました。


■ 🔹吊るし人・正位置(犠牲の終わりの直前)

危うし!の位置にこのカードが出た意味は明確です。

  • 過度な献身
  • 自分を後回しにする癖
  • “いい人”としての自縛
  • 恐れから来る停止

これらが、今年の「塔」「死」の流れと呼応しながら、
いよいよ終わりに近づいているという合図でした。

吊るし人は、もう“降りる寸前”に来ている。
つまり、

犠牲の時代は終わる。
火を持つ個として、立ち上がれ。

という意味。


🌌 ここで生まれたテーマが「火と水の統合」

カップの王(揺れる水)
ワンドの王(目覚めた火)
吊るし人(犠牲の水の終わり)

この三つの象徴は、普遍的な精神体系すべてが語る
“創造の前段階” にあたります。

この「火と水の激突」――
これは算命学だけでなく、カバラでも同じ構造として説明されます。


✨ カバラが語る“創造の三原理”

カバラの世界では、すべての始まりは次の三つの段階から始まります。

  1. Ain(アイン)=無/ゼロ
  2. Ain Sof(アイン・ソフ)=無限
  3. Ain Sof Aur(アイン・ソフ・オール)=無限光

この順番で
何もない静寂 → 無限の潜在力 → 光の誕生
が起こります。

これをカードに置き換えると:

  • 深い凍結(26)=無(Ain)
  • 揺れる感情(カップ王逆)=混沌(Ain Sof)
  • ワンドのキング=光の誕生(Ain Sof Aur)

つまり、
タロットとオラクルは、カバラと同じ創造の構造を
“カードの象徴”として語っているのです。


|今回のオラクルカード

① 〈波に乗る・逆〉 — テーマ/原因

焦りの波に乗ろうとしていないか?
周囲が動いているように見えるからと、自分も波に乗らなければと焦っていないか?

このカードは、

今は波に乗る時期ではなく、
どんな波が来ても泳ぎ切れる自分を整える時期

であることを示します。

― 潮はまだ満ちていない。波は“準備段階” ―

内側の火は点き始めている。
でも、潮はまだ満ちていない。

動こうとして焦ると、波を誤る。
今は“泳ぐ力”を蓄える時間。

これは前回の「ワンドのキング」と矛盾しません。
むしろ、ワンドの王が火を灯す場所は
外側ではなく“内側”である と強調している。

火はまず内側で燃え始め、
その後、タイミングが整ったとき自然に外へ向かう。

カバラで言う
“無から光へ”のプロセスの最初の段階です。

②〈分裂〉正 — 今取り組むべきこと

これは何度も出ていたカードで、
今回もはっきりこう言っています。

役に立たないものに終止符を打つとき。
惰性の約束、合わない関係、鈍さを手放しなさい。

塔の年にふさわしい断捨離であり、
外側の基準・外側の声・外側の期待を切り離す作業です。

― 終わるべきものは終わらせる。火と水が分離して、筋が通る ―

分裂という言葉は強いけれど、
これはネガティブな崩壊ではありません。

不要な結び目が溶けて、
火(意志)と水(感情)が本来の形を取り戻すプロセス。

人間関係、役割、義務、古い価値観――
それらが自然に崩れていくと、
火が通る「一本の道」が見えてきます。

吊るし人の“犠牲の終わり”と完全にリンクする流れです。

③〈Deep Freeze〉正 — 今のまま行くとどうなるか(結論)

今回のリーディング最大のポイント。

動けないように見えるこの時期こそ、
すべての再生が密かに進んでいる。

Deep Freeze は「止まれ」という命令ではなく、
“火を外へ漏らさずに鍛える密室” です。

争い・議論・評価をすべて脇に置き、
内側の火を純度高く保つ季節。

これは2025年の最終メッセージとして、とても象徴的。

― 静けさが未来を作る。「ゼロ」の場に戻る ―

このカードが締めに出るとき、
それは 祝福のような停止 を意味します。

火が立ち上がる前には、必ず“ゼロ”がある。
外側が動かないとき、内側が最も育つ。

深い凍結は凍るためではなく、
芯が形成されるための沈黙

大雪という季節にぴったりの、
「冬至前の最終調整」です。


火と水の象徴

— なぜ今“動かないこと”が最善なのか?**

火と水は、世界の創造原理そのものだと言われています。
カバラでも、水(慈悲)と火(厳格)が均衡することで新しい現実が生まれる。

今回のタロットでは、

  • カップキング逆(水の揺らぎ)
  • ワンドキング正(火の純化)

が示されていました。

この「火と水の激突」は、
算命学でも芸術家の星のように“創造の葛藤”として現れます。

そして、この火は外側に向かって燃えるのではなく、
内側で沈黙のうちに研ぎ澄まされる火。

だからこそ Deep Freeze は結論としてふさわしいのです。

外側の雑音・評価・期待がある状態では、
火は純粋には燃えられません。


火と自分との“一騎打ち”が始まる季節

前回のリーディングで最も重要だったテーマがこれ。

火を使い始める人は、必ず最初は孤独に見える。
それが正しい。

ここで言う“一騎打ち”とは、
誰かと戦うという意味ではありません。

**外側の価値基準と、内側の真実が衝突するとき

自分の惰性・習慣・古い感情と向き合う戦い。**

火は、妥協できない。
損得で動くと弱まる。
正しさで選ぶと鈍くなる。

堀文子が言った
「鈍感は嫌い。盗みよりも悪いことではないかと思うのです」
とは、多分、その人の火が消えた状態のこと。

火は“好き”だけを選ぶ。
だからこそ揺れる。
だからこそ怖い。
そしてだからこそ、生きている。

今回のカップキング逆位置(水の揺らぎ)も、
火が動き始めるときの必然の揺れ。


**5|世阿弥『風姿花伝』

— 火を育てるための“秘すれば花”**

Deep Freeze によって火が隠されたように見える季節。
この構造は、日本の古典にも深く響きます。

世阿弥はこう言いました。

「秘すれば花、秘せずは花なるべからず」

すべてを見せてしまえば、花は死ぬ。
まだ語られない沈黙、熟成、内側で熟成される時間にこそ、
芸の生命が宿る。

今回の大雪後半はまさにこの状態。

動かないことが火を弱めるのではなく、
動かさないからこそ火が純化していく。

冬至に向けて、光が一年で最も短くなるこの時期に、
“内なる火”だけが際立つのです。


大雪後半のまとめ

2025年の最後に、今までのカードの流れがあなたに伝えていること

  • 今年は塔と死の年。
    古い基準・評価・役割が崩れ落ちた。
  • 2026年は火の年。
    唯一の基準は自分の“好き・真実”。
  • ワンドの6逆位置が示した「評価を手放す」は最初の合図。
  • ワンドキング正位置が「火で生きる」準備の完了を告げた。
  • そして今回の Deep Freeze が、
    火を外に向けず、内で純化させる最終工程 を表す。

結論として、
今年の締めくくりは「静けさ」だけれど、
その静けさの内側では、来年の飛躍に必要な火が誰にも見えないところで完成しつつある。

外へ急がなくていい。
評価もいらない。
承認もいらない。

火は静かな場所でこそ、
いちばん美しく燃えるから。

【カードが語る“層”についての小さな気づき】

今回のオラクルカードは

  • 波に乗る(逆)
  • 分裂
  • Deep Freeze

と、一見すると“動きが止まるカード”が並びました。
今年の締めくくりにこの3枚が出たことで、
最初は「悪いことが起きる前兆なのでは?」と一瞬不安になるかもしれません。

けれど、今回のリーディングを通して
一つの大きな気づきがありました。

**カードが語るのは「出来事」ではなく

「エネルギーの段階」だということ。**

多くの人はカードを引くとき、
ついこう考えてしまいます。

「良いことが起きる?
悪いことが起きる?」

これは「出来事の層」の問い。

しかしカードが本当に示すのは、
その一段深い “構造の層” です。

✔ 今どんな段階にいるのか
✔ 何が終わり、何が始まるのか
✔ 火と水のバランスはどうか
✔ 魂の旅が次の段階へ移る準備が整っているかどうか

今回の3枚は
「外側の未来」ではなく、

「内側の火を守るための静けさ」
「不要なものが離れていく自然な過程」
「次の大きな波の前の準備期間」

を示していました。

つまり出来事ではなく、
“エネルギーの層の整理” が起きているだけなのです。

この“隔たり”が理解できたとき、
カードはただ未来を告げるものではなく

「自分の内側の構造を映す鏡」

であることが見えてきます。

この気づきは、来年の火の年を迎えるために
とても大切なことなのだと思います。

次回のカードリーディングは12月22日『冬至』になります。

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