小満(2023年5月21日~6月5日)のカードリーディング

オラクルカードメッセージ

5月21日から二十四節気で『小満』に入ります。旧暦では4月、立夏後の15日目にあたります。小満とは『万物しだいに長じて天地に満ち始める』という意味からとられた言葉です。

今期は万物がぐんぐん成長するときです。蚕が眠りから覚めて桑をもりもり食べ始める頃でもあります。また、この頃から梅雨となる年が多いそうです。(「現代こよみ読み解き事典」)

今期は蚕(かいこ)が食べる桑の葉を摘み取る時期に入りますが、蚕が紡ぐ繭(まゆ)は絹になります。かつて日本は養蚕が盛んでした。皇室でも養蚕は行われていて、この時期は皇后さまが蚕に桑の葉を与える宮中行事「御給桑(ごきゅうそう)」が行われます。

蚕は、「おかいこさん」「おしらさま」と呼ばれ、中国でも日本でも、蚕の伝説があります。蚕は、明治時代の日本を支えた産業というだけでなく、もっと深い意味があるように思います。「おしらさま」と言えば白山信仰の御祭神である白山菊理姫という謎の多い女神さまを思い出させますし、蚕と馬と娘の組み合わせの伝説が多いことからも、蚕の不思議には興味があります。(余談ですが、布団で一番気持ちが良いのは近江の真綿布団だと思います。真綿とありますが、絹のことです。大変な手作業の連続ですが、繭を扱う職人さんの手はとても綺麗だそうです。)

今回使ったカードは、画像上段が『The Map』オラクルカード、中段がウェイト・スミス版タロット、下段がフラワーセラピーオラクルカードになります。

解釈はいろいろできますが、私には今期のテーマとなるのは家族や家庭、あるいは人生の基礎となる部分のバランスを取り戻すことに思えます。

フラワーセラピーオラクルカードで『Family Harmony』家族の調和が出ていますし、『The Map』でも『37 Cleaning house』家の掃除のカードも出ています。家とありますが、人生全般を表します。もう欲しくないものや、本当に必要でないものを手放すことを勧めるカードです。

またタロットでは「ワンドの6」が出ています。(画像中段 左端)

これは一般的には自信や成功、勝利を表します。そうなると普通想像されるのは仕事の成功です。ただ今回は、18世紀後半のフランスのオカルト主義者であるエテイアの解釈が気になります。

エテイアは1785年『タロットと呼ばれる遊戯用カードの楽しみ方』という本を出版し、発表と同時に大評判になりました。(アンソニー・ルイス著『タロット事典』より)

エテイアの解釈では、ワンドの6は、家事、家内労働者、使用人、従者、使者への対応を示唆するカードとされていたそうです。つまりこれはコロナで注目を浴びたエッセンシャルワーカー(生活に必要不可欠な労働者)を指しますし、家事という意味で「家庭」でもあります。

カードのイラストは仲間と共に歩く勝利の凱旋の様子です。ウェイトの解釈では「希望の王冠」「欲求で飾られた期待」とあります。

現時点では具体的にわからなくても、自分がやっていることの勝利を信じて前進して良いようです。むしろ自分を信じ、求めることは得られると信じた方が良いでしょう。『自己実現しつつある予言としての、何らかの勝利』をもたらすカードです。

前回の「立夏」の流れからみると、この「勝利」のカードは普通の意味の名誉や勝利ではないようにも感じます。『The Map』で結果を現す場所(右端)に「52 Magical Map shifter」という、あなたの人生を良い方向へシフトさせるターニングポイントとなることを示唆するカードが出ているので尚更です。

今期、一番鍵となるメッセージは、『53 Listening』耳を澄ますのカードです。このカードが表すのは、語られていないことに注意を払う必要です。あなたが見ようとしない部分、欠けていると思い込んでいる部分、もはや病気になってしまいそうなくらい膨らんだ幻想=自分に対するやさしくない考え方をお持ちではありませんか?

あるいは、自分の考えを理解してもらおうと一生懸命に話すことより聴くことに意識を向ける方が大切なようです。

相手が何を感じているか、例えば相手の表情は「悲しそう」「うんざりしているみたい」などわかったら、自説をまくしたてるより、精神的に相手のそばにいてあげる方がずっと良いようです。

今回のカードを眺めていて思い出したのは、京都の大原で暮らすイギリス女性のベニシアさんの不眠にまつわるエピソードでした。今はハーブや自然と調和した暮らし方で知られるベニシアさんは、30代半ばは三人の子供を育てながら仕事に追われるシングルマザーで、疲れているのに眠れず、ついには静脈血栓にまでなったそうです。『長期間のストレスは病気に対する抵抗力を弱め、血を粘らせて肩こりや背中の痛みとなり、慢性病の原因になる』とお医者さまに言われたそうです。でも子供の学費もあるし、ゆったりした生活もできないと思い込んでいたベニシアさんは、現在の夫となる男性と出会います。彼はベニシアさんの状態をみて

「ベニシアは悪循環に陥っている。子供のためと思って頑張って働いているけど、時間がないので何でもお金で解決しようとしている。それでお金がなくなるからますます働かなくてはならない。仕事を減らしたら家にいる時間も増えるでしょう。そうすれば子供と過ごす時間ができるし、料理をしたり家庭のために色々なものを作る時間ができるんじゃない?」

『ベニシアのハーブ便り』より

と言ってくれたそうです。カードを見ていると、このエピソードによく似た状況がイメージされます。

フラワーセラピーオラクルカードでは真ん中に『You are healed』あなたは癒されましたのカードが出ています。また、結果の場所には『You Are lovable あなたは愛らしい』のカードが出ています。

すべてのカードを読み解くと、あなたは今までありのままの自分ではなく、他の誰かになろうと努力していました。それは社会のシステムに合う人間になることかもしれないし、立派な親になることだったのかもしれません。愛されるためには今のままではダメと思ってひたすら自分に負荷をかけてきました。

今期は意識がクリアになり「今までどうしてこんなに無理していることに気づかなかったんだろう…」と思えそうです。あるいは意外にも現状を維持することに未練タラタラで、不要なものをどうしても捨てられない自分に気づくこともあるかもしれません。

何はともあれ、現時点での自分の気持ちに正直になる必要があります。

あなたが「必要」と思って手放せないもののイメージが、右端のタロットの『ワンドの10』です。これは過剰な重荷です。

彼は今や、これら10本のワンドを目的地まで運ばなければなりません。

それはまるで彼がその燃えるような自信から、次々と重い責任を引き受けてしまったかのようです。

彼はもしかすると、単にチャンスにもチャレンジにも抗うことができない人なのかもしれません。

あるいは全てが彼の肩にかかっているのだという信念から逃れられず、誰かに責任を引き受けてもらえるよう頼むことが、どうにもできないのかもしれません。

彼は問題を解決しようと、あるいは最善の方法を見出そうと、立ち止まることもしません。

レイチェル・ポラック『タロットバイブル』

ただ、今期はあなたが重圧に押し潰されてしまわないように何らかの救いがもたらされるようです。

「52 魔法のマップシフター」 (画像上段 右端)このカードは 使命を持ってやってきます。

個人的な成長に影響を与える人たちがあなたの人生にやってくることに気づかせようとしています。最高のあなたにならせてくれるソウルメイトやあなたを困難から抜け出させてくれて、安全 あるいは成功の場所へと連れて行ってくれる人に出会うかもしれません。

今日 あなたの歩く道を横切り あなたの魂の旅についてじっくり考えさせてくれた人に気づいてください。気づきにさらなる気づきを求めてください。そうすれば彼らが重要な変化の代理人であることがわかるでしょう。あなたが何者であるのか、そして なぜここにいるのかについて、全ての考えがシフトするでしょう。

魔法のマップシフター (地図の管理者)は、いつでもあなたに、より良いバージョンのあなたを始めさせてくれます。

多分あなたは最良のタイミングで、最も適した人物、最良の状況へ導かれます。あなたが求めた癒しはすでにもたらされつつあるので、ゆったりした気持ちになれるのも時間の問題です。

良い日々になりますように。

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