白露(2023年9月8日~22日)のカードリーディング

オラクルカードメッセージ

9月8日(金曜日)から二十四節気で白露(はくろ)になります。本来ならこの頃は秋の冷気で草花にしらつゆが宿るという「白露」の説明がしっくりくるはずですが、いまだに蒸し暑い日が続きます。ただ、日が暮れるのが早くなったことは実感できます。

今期、タロットでは原因を現す場所に『21 世界』が出ました。

このカードは、0番からはじまる「愚者の旅」の終点を示します。

ただ『TheMap』オラクルカードでは逆位置が出ていますので、すんなりとわかりやすいハッピーエンドではなさそうです。

前回の『処暑』のリーディングで出た「ペンタクルの4」も逆位置で出ています。

前回ペンタクルの4は原因の場所に出ていましたが、今期は真ん中の「今取り組むべきこと」の場所に出ています。どうやらこのカードが現す課題から目をそらしているようです。

このカードのキーワードは「執着心」です。

詳しい説明は「処暑」に書きましたが、今回他のカードとのつながりで説明を加えるなら、この執着心は、一般的には「それは人ならば当然の感情」と思われることに関係しているように思います。具体的には以下のカードです。

カードの伝えるところによると、あなたの執着心の原因となっているのはあなたの愛する人に関しているようです。『あなたが絆を感じている人・状況』が、『執着心』に結びつけられています。

最近は絆(きずな)というと良いイメージで使われますが、古典では絆は「ほだし」と読みます。ほだしとは、「情にほだされる」という言葉に残っているように、本来「束縛」「自由に行動することの障害となるもの」を指しました。(『歌枕歌ことば辞典』)

和歌でも

あはれてふことこそうたて 世の中を思ひ離れぬほだしなりけれ 古今集 小町

「あはれ」という言葉こそ最もいやである。なぜなら、これが人間的な言葉であるゆえに、この世から出離することの抵抗になってしまうから。というのが歌の意味です。

今回のカードを眺めると、この小町の歌がぴったりきます。あるいは小説を読む方なら、今回のカードの状況は夏目漱石の『道草』に似ています。

『道草』は人間関係のしがらみの話といってもいいくらいで、当然ながらそこにはお金までからんできます。橋田壽賀子のドラマのように「よくある話」だけれど、自分にかかってくると多大なストレスになるエピソード満載の小説です。でも、読み終わると心に残る小説ではあります。それはこの小説の視点がタロットの『世界』の視点と同じだからです。

タロットで「世界」のカードは、ゴールであり、希望です。でも、ゴールに至るまでの道には、日常のゴタゴタがあります。

このカードは、人生において、自分自身の成長における重要な段階にさしかかっていることを意味します。

アンソニー・ルイスは、世界のカードに『復楽園 Paradise Regained』とタイトルをつけました。

これはジョン・ミルトンの叙事詩で、新約聖書に描かれた「荒野の対決」のエピソードつまり、イエス・キリストとサタンの対決がテーマです。

Paradise Regainedとは、楽園の回復という意味で、イエスがサタンの対決に勝つことで永遠のいのちへの道が人類に開かれたことを意味しているそうです。

幸福な庭で歌いし日々は

ひとりの男の背きによって失われたが

今や楽園が蘇ったことを全人類に告ぐ

ひとりの男の揺るぎない服従が試され

あらゆる誘惑において悪魔はしくじり、 たくらみは敗北し、退けられた

そして大いなる荒野にエデンが建てられた

ジョン・ミルトン『復楽園』

世界のカードはとても深い意味がありますが、このカードが到達するのはエデンの園です。

カードは、これからあなたがエデンの園に戻ろうとしていることを忘れないようにとのメッセージを贈っています。当然そこには辛い試練がたくさんあると思いますが、ゴール間近なつらさです。

『The Map』オラクルカードでは、原因の場所に以下が出ています。

このカードが上下がひっくり返っていない正位置で現れたら「可能性をたくさん秘めた大きく開かれた空間を自由にぶらつく一匹狼」を表し、古いアイディアを大きなビジョンに置き換えることをすすめる内容になります。

ただ、今回は逆位置なので、「新しいアイディアや関係にオープンではない」状況。人を羨んだり、嫉妬したり、所有欲に気をつけるよう注意しています。

このカードだけみると、今期は物事がすんなり進むタイミングではないことになります。先ほど書きましたが、多分「つらい」です。でもその感情に溺れるのではなく、人生における重要な目標や目的をしっかり見つめる冷静さが大切です。

今期取り組むべきことには『13 孤独』が逆位置で出ています。

これは所有欲や「今までのやり方」に執着した結果、孤立してしまうこと、あるいはひとりぼっちの気持ち、檻に閉じこめられてしまったように不自由に感じることを表します。

でも忘れてはいけないのは、あなたには(あなたの心には)すべてを変えるパワーが宿っていることです。

この状況を創り出したのはあなたです。あなたにはそれを変える力があります。

このカードの絵の天使のように、どうやら人間の心には、神と同じように世界を創造する力があるようです。

あなたは受け身の犠牲者ではなく、超然としてこの状況と人間関係のすべてを変える権利と技量を持っています。けれども人を責めるか、自分はコントロールされていると疑うなら、あなたがそこから抜け出すことはできないだろうというのがカードのメッセージです。わかりにくい場合、一言で言うなら「暗く考えない」「人のせいにしない」ことが今までにないくらい重要なようです。

今年の猛暑を語るとき、いずれ春と秋が消滅して日本は四季ならぬ二季になっていくという解説がありました。

天候は地上に住む人間にも影響を与えるのか、最近はワクチンか反ワクチンか、原発容認か脱原発かなどと、両極を争うような態度が目立ちます。でも、神道では「敵を作らないこと」が大切です。神道研鑽と鍼灸治療をしていた小菅太玄先生という方は、瞑想時に合掌するときの心構えとして

・強欲でないこと。欲は心を乱す

・心を乱さないためには心が調和していること(交感神経と副交感神経の調和)。身の廻りを複雑にすると精神統一はできないので、身の廻りを整理する。(これにもやはり欲の規制が大切になりますね)

・敵を作らないこと。敵がいたら祝福を送るイメージを使う。敵と和解することが大切

と仰っていました。

これは病気を治すためにオーラを拡大する方法についての話にありましたが、それには毎日の訓練が必要とのことでした。具体的には毎日時間を作って瞑想するわけなんですが、そうやって毎日心を充実させても、敵を作って怒りを感じると、心が一気にしぼむというか、拡大させたものに綻びが生じるとのことでした。

多分人間が腹を立てるとか、怒る、 相手に対し「過ちを正さなくてはならない」 と熱く思うとき、その根底には 「自分の側に『正義』がある」 と確信しています。ともすれば「正義」が敵を作っている面もあるのかもしれません。自分にも覚えがあるからよくわかりますが、その結果、つらい時間が長くなったと今はわかります。

私は今後はなるべく無理せず、ひっそり楽しく生きたいので、せっかく心を手入れし続けた成果をゼロにしたくありません。そのため、小菅式の心構えを大切にしようと思って生きています。

今回はタロット大アルカナの最後のカードが出ていたので、人によっては占いなのか何なのかわからない内容になりましたが、今期は静かに自分の心と対話する時間を大切にすると選択や判断を間違えないと思います。

良い日々になりますように。

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