立春(2024年2月4日~18日)のカードリーディング

オラクルカードメッセージ

旧暦では立春から新しい一年がはじまります。前回までは「過去を完了させること」というメッセージばかりでしたが、立春になり新たなメッセージが届いています。

今回のカードを見ると、希望が感じられる展開となっています。立春は旧暦では元旦なので、カードはこれから一年の予告にもなりそうです。

新しい年のスタート、まだ何も起きていないときの方が先入観がないのでメッセージを感じとりやすいところがあります。今までの流れと今回のカード展開をみると、認識や「ものの見方」を変える、或いはアップデートする必要があるというメッセージを読み取れます。個人的には昨年の年末くらいから、「豊かさ」についての意味合いを変える必要を感じています。

豊かさの法則

豊かさの法則が意味するのは、あらゆる命が達成できることには制限がないということです。

豊かさとは、お金、安定、健康、喜び、 報いだけではありません。豊かさには痛み、事故、病気、損失などの面があることを、多くの人は忘れています。

経済的豊かさを得ようと思って行動する時には、あなたが望まない豊かさ(痛み、事故、病気、損失)が生まれる可能性もあります。

「お金だけの豊かさを受け取ります」と宣言し、それを実現することも可能ですが、それはまた別の新たなカルマの創造になるのです。

ポジティブな経験をもっと引き寄せたいのであれば、ポジティブな生き方をし、望まない経験を引き寄せないようにしなくてはならないのです。

豊かさの法則は、複雑に全ての宇宙の法則とつながっています。宇宙のゴールはバランスの達成ですから、宇宙の法則を人間のエゴで操作することはできないのです。

あなたがポジティブな経験を心から求めるなら、競争はしない、ゴシップはしない、与える 受け取るを実践する、あらゆる人がそのままでいる権利を愛し、尊重するなど、スピリットワールドの上層階のあり方を徹底的に実践する必要があります。

ウィリアム・レーネン『あなたの潜在力を120%活用する方法』

「豊かさには痛み、損失が含まれる」というのは、「豊かさには貧しさが含まれる」といっているのとほぼ同じです。でも人が豊かさを願うのは貧しさを感じているときだと思うので、豊かさを願って事故にあったら、「話が違う」と拒絶反応が起きるのは当然です。ただ、その「当然」と思う認識を変えるときが来ているような感覚があります。

先日、YouTubeでかなり昔に見て感動したバズ・ラーマン監督の『ダンシングヒーロー』という映画のラスト、感動的なダンスシーンを見ました。そうしたら、当時感動して日記に抜き書きまでした言葉が、何十年かぶりに脳内に甦ってきました。それは

恐れを抱いて人生を生きる者は、人生の半分しか楽しめない

という言葉です。この映画は、両親が開く社交ダンス教室で小さい頃からダンスを習い、社交ダンスでチャンピオンになることだけ考えてきた主人公(男性)が、まさにチャンピオンになれる目前まで実力がついたら、競技会で勝つためよりも「自分のダンス」を踊りたくなり、葛藤する内容のエンターテイメント映画です。

主人公は、一緒にチャンピオンを目指してきたパートナーに振られ、ダンス教室に通う目立たない、冴えない女性を自分のパートナーにすることになるのですが、彼女はダンス初心者ながら「ダンスで自分を表現したい!」と考える人でした。そして自分が初心者でも「あなたのダンスのパートナーになりたい」と伝えられる勇気の持ち主でした。この映画はオーストラリアが舞台で、彼女はスペイン語系の移民という設定でした。その彼女がスペイン語で教えてくれる言葉が先に挙げた言葉です。ネタばれになりますが、実は主人公の父親も、若い頃は才能あるダンサーでしたが、自分のダンスを踊りたくなってチャンピオンになれなかったという過去の持ち主でした。ただ、愛する人(つまり主人公の母親)は、生活するためには社交ダンス協会から睨まれるようなことをしてはいけないと考えて、夫に夢を追うことを許さなかったのです。というような背景で、映画全般を通しておとなしく、存在感のない父親が主人公にありったけの思いを込めて吐くセリフが

『私は怖かった!勇気がなかったんだよ!
挑戦から逃げた・・・みじめな人生だ!!!』

というものでした。それで目が覚めた主人公は(やっぱりチャンピオンになっておいた方が良いかもと迷っていた)、自分は競技会の定めたステップに忠実に踊って優勝するより、自分のステップで競技会で勝負する!と決めるのでした…ということでカードリーディングから話が脱線してますが、これからを占うと、自分の中ではこの映画がぴったりきます。

さすがに年を重ねたので、「だから夢を捨てちゃダメ!」と単純に話す気はなく、かといって「現実は厳しいんだよ」とも思いません。それをいうなら、夢という言葉の定義も変えなければいけないし、何より成功の定義も考えなおす必要があり、哲学の世界の話になってしまいます。ただ、世界がどのように見えるかは個々の認識によって変わるので、答えはその人にしか見つけられないと思います。

最初に挙げた「豊かさの法則」で、「豊かさには貧しさも含まれている」矛盾と同じで、子どもたちを育てあげるには、現実重視の妻の存在は欠かせなかったでしょうし、自分の踊りを追求した主人公は、一時的にもてはやされても、大衆というのは飽きやすいから、結局観客は彼の踊りについていけなくなり、世間的には「落ちぶれた」と思われるかもしれません。

つまり先の『恐れを抱いて人生を生きる者は人生の半分しか楽しめない』は、恐れずに生きることは喜び100%ともいえるし、後悔100%ともなる可能性がある。正解はなく、間違いもないので「自分が良しと感じる行動を自由にやってみればよい。ただし責任はとること」としか言えません。

タロットでは、とてもロマンチックなカード「カップの2」が出ています。

これは一般的には「恋に落ちたソウルメイト」のカードです。恋愛はもちろん、仕事や趣味など公私ともにパートナーとなる人との良い関係を表します。誰かと心が通じあう時間を過ごせるようです。少し気になるのは、次に「月」のカードが出ていることで、何か一筋縄ではいかないものも予感させます。

2024年は辰年です。辰は十二支で唯一の架空の生き物で、虚気を表します。虚気とはどんな状況かというと、恋に落ちた状況やお酒に酔った状況など、人生の素晴らしさを感じさせてくれるけれど、月の満ち欠けのように移ろいやすい状況を指します。そんな月のカードの逆位置はいくつか解釈が成り立つのですが、どうかするとそれぞれ真逆の意味になるので難しいです。

混乱を抜け出す」という意味もありますが、月のカードの正位置よりも「軽めの問題を引き起こす」とも考えられます。女性なら、婦人科系の問題に直面しているときも現れます。

現時点で言えるのは、とても素敵な時間、心と心が通う瞬間を味わうと、いつまでもその時間が続くことを願うあまり、現実を曲解しがちです。どこまでも飛んでいけるようにのぼせあがると、太陽に近づきすぎて落下したイカロスのようになりそうです。ここは「意識して冷静さを心がける」ことが大切な時期です。なぜなら次に出ているのがワンドのペイジ逆位置だからです。

このカードが暗示するのは、のぼせ上がって無鉄砲、衝動的、野心的すぎる行動をとってしまうこと。或いはがっかりさせるメッセージが舞い込んだり、恋愛面では失恋を暗示します。

ワンドのペイジ逆位置は、注目を得るためにはどんなことでもするような性質を帯びています。

「自分を気遣ってほしい」 「自分を愛してほしい」その思いから非道徳的な行動、わざとらしい行動に出ます。

人目をはばからないような行動、破壊活動に訴えることもあるかもしれません。

物事を誇張したり、誇大妄想にとらわれたり、気性が激しくなったり、年不相応なことをしたりします。

恋愛面では失恋を暗示します。

メッセージを見る場合では、がっかりさせるようなニュースが持ち込まれるでしょう

マルシア・マシーノ『タロット教科書』

こう書くと行動する勇気がくじかれそうですが、ワンドのペイジの逆位置には「躊躇」という意味もあります。「失敗を恐れて何も行動しない」というのは違います。

今期は、最初は恋に落ちるカードで、それから二週間以内には失恋のカードが出るという、ジェットコースター的展開です。

これはオラクルカードではもっと表現が柔らかく、タロットのように直接的ではありません。オラクルカードだけを読めば、今期は素晴らしい期間になります。ただ、オラクルカードの一番のメッセージは多分このカードです。

このカードは『祈りは届く』ことを表します。

あなたに用意された運命があなたを待っていて、「あなたの欲しいものは手にすることはできないかもしれないが、あなたの運命が必要としていることは必ず手にできる」ことを表します。今期ベストな祈りは『あなたの御心が私を通して成し遂げられますように。私の思いではなく、あなたの思いが成し遂げられますように』だそうです。

もうひとつ鍵となるカードは次のカードです。

愛だけを見つめる

失敗や過ち、そして 誤解は忘れましょう。あなたが目に映すべきは、あなた自身も含め全ての人が内に宿す愛だけです。そしてどんな状況にも必ず愛が宿っています。愛だけに意識を向けることによって、思いもしない形の癒しがもたらされるのです。

このカードは全ての人、そして全ての状況を天使の目から見るよう促すものです。愛に意識を集中すれば愛なきものは目の前から姿を消すことでしょう。 光を当てれば暗闇は消え、目の前が明るく照らし出されます。それと同じことです。助けが必要な時にはいつでも天使に声をかけましょう。あなたと一緒になって、天使の視線から物事を見るということを教えてくれるでしょう。

デイリーガイダンスオラクルカード『See only love』

これらのカードが伝えるのは、『恐れのあまり半分の人生で終わるより、あなたに用意された運命を味わって100%人生を生きて欲しい。でも、それはあなたが願うものとは違っています』ということだと思います。

豊かさの中には損失もあるし、恋愛の喜びの中には失恋も含まれているという、歯切れは悪く、白黒つけられないけれど、痛いほど経験すれば真実とわかるようなメッセージです。

『豊かさの法則は、あらゆる宇宙の法則とつながっている』というのは多分本当で、豊かさの定義をアップデートするのが2024年辰年のテーマかもしれません。それは、『ポジティブな面に焦点を当てれば必ず同時にネガティブな面を作り出している』ということを経験を通して理解すること、その前触れが立春の時期のテーマと思われます。

良い日々になりますように。

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