6月6日(火曜日)から二十四節気『芒種』になります。芒種は昔の田植えがはじまるときです。
今回のカードは、画像上段がウェイト・スミス版タロットカード、真ん中がThe Mapオラクルカード、下段がロマンスエンジェルオラクルカードになります。
左側のカードが今期のテーマであり、課題です。真ん中の列は、課題に取り組むときのヒントとなるもので、右端は、このまま進んだ場合の結果です。
今期のテーマは、「人生を取り戻すこと」「力を取り戻すこと」だと思います。一番わかりやすく出ているのは、画像下段左側のカードです。
Free Yourself 『自由になる』
このカードのユニコーンのように、あなたは身動きが取れなく感じているかもしれません。おそらくあなたは、誰かの言いなりになってきたか、あるいは仕事や人間関係に息が詰まるような重苦しさを感じているかもしれません。自分の心の声に耳を傾ければ、このカードのメッセージがどの点について言っているのかがわかるでしょう。
「私はどのようにして制限や束縛を感じているのだろう?」と自分に尋ねることもできます。そしてあなたが受け取る答えを信頼することです!
あなたが素敵な恋を望んでいることを知って、ロマンスエンジェルがこのカードを届けてくれました。けれども、情熱を体験するには、まずあなた自身が深い情動を感じなければなりません。そうするうちにあなたは、不満を宿らせている人生の領域に直面するかもしれません。そしてそのような領域を認識しさえすれば、あなたはその状況に光を当て、天使に助けてもらう余地を作ることができます。
人生を取り戻すことを自分に誓うと、あなたの気持ちは自然にほぐれ、再び覚醒します。その結果、あなたは自分自身も、パートナー も、これまでの経験も、すべてをより一層愛することができるのです。
the Romance Angels oracle card
伝説ではユニコーンは、『極めて獰猛で、力強く、勇敢。ユニコーンを人の力で殺すことはできても、生け捕りにすることはできなかったという。たとえ生きたまま捕らえられたとしても、飼い馴らすことはできず、激しい逆上の中、自殺してしまう』とあります。(Wikipediaによる)
そんなユニコーンが、おとなしく檻の中にいるというのはあり得ない話です。また、タロットではワンドの9が出ています。頭に包帯を巻いていることから、傷をおった男が緊張した様子で戦いに備えています。彼は大切なものを守るため、絶えず闘い続けることを選んだようです。
断固として戦い続ける人は無傷ではいられません。必要性からか、これまでの習性のせいなのか、男は闘争を超えたところにある人生の気づきから目を閉ざしました。そして今やただ次の戦いのみを探し求め、敵を見つめ続けるのです。 しかも 敵が降伏した後でさえもそうし続けているのです。
レイチェル・ポラック『タロットの書』
「檻の中にいるユニコーン」と「闘う男」は、現象の現れ方が違うだけで、意味することは同じです。
それぞれが、本来の自分を忘れて幻想に囚われています。それが真ん中の列、左側のカード『49 talisman』逆位置です。このまま「もはやあなたにとって楽しくない幻想に捕らわれ続けると、人生で繰り返し落ちてきた、いつもの穴にあなたはまた落ちますよ」と警告してくれています。
カードを解釈しているうちに思い出したのが、石川淳の短編小説『マルスの歌』という作品です。これは1938年(昭和13年)に発表されましたが、この作品が掲載された雑誌は発禁処分を受けました。マルスの歌とは、軍神マルスを称える歌で、戦争に動かされる時代の流行歌でした。この中に、自殺の真似をするうちに本当に死んでしまう若い女性「冬子」と、その夫「三治」の夫婦が出てきます。この夫婦は、ふとしたことからある「遊び」をはじめます。それは、冬子が口がきけない真似をしたり、足が悪くなった真似をすると、夫の三治がそれを治してみせるふりをする「お医者さんごっこ」的な楽しい遊びでした。ある日、冬子は「自殺の真似をしてみようか」と思い付きます。それに対し夫が「ほんとに死んだらどうする?」と言うと冬子はこう答えます。
「そんなの無意味だわ。本当に死ぬなんて全然 あほらしい。ピストル や薬なんかダメね。 いけないと思ったときには本当にいけないんだから。 ほんとのことしてみたって、ちっともおもしろかないわ。ほんとのような嘘のようなこと、ほんとにしかけていて やめようという気をうごかせばすぐやめられるようなこと……」
小説の冬子は、自殺するふりをしていたら最後は本当に死んでしまいました。もしかしたら死んだことにも気づかないうちに死んでいたのかもしれません。でも本人は「すぐやめられる」と思っていたのだから、不本意な死ではあります。
このユニコーンも、「檻の中にいる真似」をしていたら、ユニコーンであることを忘れてしまったようです。闘いに備える男も、「力強い兵士の真似」をしていたら、本当に敵に囲まれていると思い込んでしまったのかもしれません。そうなると必要なのは「この遊びはもうやめよう」と目を覚ますことだけです。
先日『奥さまは魔女』の映画版を見ていたら、「願いがなんでもすぐ叶えられるなんてつまらないから、なかなか叶わない世界で暮らしてみたい!」との設定でした。非常にリアルな言葉に感じました。
今期の課題「自分を取り戻すために目を覚ます」のを達成するために必要なことは、必要なことなど何もないことに気づくこと。あるいは必要なものはいつも与えられていることに気づくことのようです。そして自分を楽しくさせる夢をみるときです。今までの選択による結果とは別の可能性がないかを想像してみることです。
現時点では達成するために強迫的に行動しなくて大丈夫です。ただ、今まで経験しているなかで機能不全に陥っている部分に光を当てるだけです。
人間関係でいうなら、あなたにはまだ希望があります。
新しいはじまりのためには無理して何かを起こそうとしなくても良いようです。むしろ今まであなたは「無理」なのに、なんやかやと理由をつけて「それは楽しいこと」であるかのように無理を重ね続けてきているようです。
今は気楽に新しい夢をイメージするときです。気楽さが重要です。
ドラマをもたらそうとする誘惑にはNOという時期です。ドラマに巻き込まれると、あなたはさらに傷つき、頭に包帯を巻かなくてはならなくなりそうです。余計な動きをやめましょう。そうすれば過去からのパターンは終わりますし、幻想の檻も消えます。
タロットでは結果にペンタクルのエースも出ていますし、恋愛を含む人間関係には「Make the effort」のカードも出ています。このカードの意味は「その恋は素晴らしく、導きに従って取り組むだけの価値がある」ことを示します。恋という言葉に代表される「生きる喜び」を感じられる未来が用意されているようです。
あなたがもっと気楽に夢をみて、強迫観念で動くことをやめれば、素晴らしい恋や、穏やかで平和な場所への扉が開きます。
よい日々になりますように。
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