今日は1月14日、あと5日で小寒が終わります。加えて17日からは土用に入ります。
土用は、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用というように一年に4回あります。土用は季節の最後、次の季節を迎えるまでの調整期間なので、なるべく身体を休めてゆっくりした気持ちでいる方が良い期間です。
というのはすでに毎回書いているので、今回は土用についてもう少し詳しく書いてみます。というのも、今回『小寒』で引いたカードをより深く理解するために追加でカードを引いたところ、この意味はまさに土用の意味だと思ったからです。
今回ひいたカードは、画像左側が大天使ミカエルオラクルカード、これは迷いを断ち切る要素の強いカードです。画像右側は、主に人間関係に焦点をあてたサイキック・タロット・ハートオラクルカードになります。
『Prayer will help this situation. 』
この状況には祈りが必要です(画像左側)
『3 Sadness & Isolation 』
悲しみと孤立(画像右側)
また、前回の小寒のカードリーディングでは、
あなた独自のやり方から抜け出すと物事は完成する
たとえ傷つきイライラするときでも、心を開き、あたたかい人柄でいる
というのが大切なことでした。
このメッセージと今回のカードのメッセージをあわせると、あなたは新年になって明るい気分でいるというより、何らかの落胆や悲しみを感じているのかもしれません。そこまでいかないにせよ、何らかの不安な状況があり、パワフルで前向きな気分には全くなれない時期かと思われます。たとえ対外的には何の問題も起きていなくても、無意識にしまわれていたかつての悲しみなどの感情が現実の背後で蠢いているような落ち着かなさも感じます。
画像右側の『3 悲しみと孤立』のカードは、ウェイト版タロットではソードの3になります。これは3本のソード(剣)が深く刺さったハートの絵で表されます。見ただけで悲しみを表すカードとわかるような絵です。多分このカードが出て喜ぶ人はいませんが、自分のカードリーディング体験からすると、この『悲しみ』は何か特定の出来事に対する悲しみではありません。むしろあなたを悩ます『特定の出来事』は現象化した時点で終わっています。言い方を変えれば、曇りのない目で現実をみれば結論は出ています。
今あなたを覆っている気分は、何とかしたら『特定の出来事』を回避できたという後悔というより、人生にそのものがもつ影の面に気づいてしまった悲しみ、あるいは大病をした人が手術をして回復期に入ったけれど、かつて自分に対して抱いていた健康の完全なイメージは失われたような悲しみです。
また、画像左側の大天使ミカエルのカードは
祈りはあらゆる状況を好転させるが、不安は状況を悪化させる。あなたの祈りは予想に反する形で叶えられるかもしれないが、あなたの祈りの声は届いています。この状況には神の目からみればもっともな理由があるので、信頼し、直感という形で与えられるガイダンスに潔く従うこと。
という意味を現します。
どちらのカードも、今は悲しんでいる自分を頭で理解するよりもハートで受け止めることが大切です。人生の哀しみを穏やかに受け入れることで癒しを見つけることがテーマです。
また17日からは土用に入ります。これは2月の節分まで続きます。でもすでに土用に入っているかのように私には感じられます。
土用とは
- 春の土用は辰月で4月5日頃から5月5日頃まで
- 夏の土用は未月で7月8日頃から8月7日頃まで
- 秋の土用は戌月で10月9日頃から11月7日頃まで
- 冬の土用は翌年1月6日頃から2月3日頃まで
となります。なぜ「頃」と曖昧になるかというと、一年の円を30度で割って毎月を出すので、西洋暦の日付をいれると割り切れなくなるからです。
ちなみに十二支に動物の名前はついていますが、そもそも動物とは何の関係もなく、黄道の12区分を天の時間とし、それを地上に降ろしたものを地の時間とするとき、天の時間と地の時間をまとめた時間の符号が十二支です。
つまり十二支は時間を現します。十二支は、地球がある限り続く時間の流れです。時間には季節があり、1日の長さは同じでも、夏の暑い1日もあれば冬の寒い1日もあります。ということは時間は質を備えている。その質を空間ととらえ、時間と空間を組み合わせて暦を作ります。
空間を現すのが甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干になります。十干は空間という無形なものを分類したものです。空間は木性、火性、土性、金性、水性の五行を陰陽にわけた10種類から成り立つと考えます。惑星にすれば木星、火星、土星、金星、水星です。
前置きが長くなりましたが、時間には「質」という形で空間が備わります。例えば冬の土用は十二支だと丑で現しますが、丑には癸水(水性)、辛金(金性)、己土(土性)というように、土性だけではなく、金性も水性も質として備えています。
ということは、土用の月にはいろいろな気が交じっていて、ひとつがダメでも他が使えるという意味で、なかなかダメにならない=粘り強いという特性があります。特に生まれた月が土用の月生まれの人は一番強く出るので、先にあげた辰、未、戌、丑月生まれの人は粘り強い運勢の持ち主になるといわれます。言い方を変えれば、「気」が純粋ではなく、いろいろなものが入っているので、土用のことを「雑気」ともいいます。雑草が強いように、雑気である土用もしぶといところがあります。
ただ、現代そのものが土用のような状況(新しいはじまりはまだ見えず、終わっていく時期、しぶとくないとやっていけない時期)のような気もするので、これからは土用の気質に学ぶところもあります。
そもそも土用には「墓」という意味もあります。これは人は死んで土に帰るからですが、地球は土から出来ていて五行の中心は土性であり、土性には他四性をまとめたり、調節する力があるとされています。
まとめるというと、リーダーシップをとるように思われますが、そうではなく、土用の運は待ちの運、待っていた方が運が拓きます。欲張ってはダメで、受身で待つ運です。ただ、受身というのも誤解されがちで、選り好みして欲しいのがやってくるのを待つのではなく、与えられたものを一生懸命こなすという意味の受身です。そこには、ただ受け入れるという要素もあるし、「あれも欲しい、これも欲しい」だと受身ではないので、そこは墓にいれる必要があります。その上でやりたいことがあれば、よそ見をしないでじっくり腰を据えること(悪くでると、腰が重くてなかなか動き出さなくなるので注意!)が大切という意味も含まれています。
長々書いてますが、カードをひいて『祈りが大切』『直感を信じる』『受け入れる』という言葉が出てくるとき、そこには土用の要素があります。(と、私には感じられる)
『さからわないこと』『手放すこと』と土用の『待ちの運』は何か似ています。
小寒期間で出た『あなたの中のヒーローを見つける』と『自分自身を温かく親しみやすい人へと変化させる』というメッセージ、今回のカードの『悲しみの受容』は同じことですが、当てる光を変えて言っています。
今のあなたがどういう状態であろうと、それはあなたが間違ったからではなく、悪かったからでもありません。ただ、しばらくその状況と一緒にいる、その状況を味わう時期のようです。
愛が最も気高く、最も神聖な行為であるのは、愛がその中に常に愛でないものまで包み込んでいるからです。 タデウス・ゴラス『なまけ者のさとり方』より
次のカードリーディングは1月20日『大寒』となります。
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