9月22日(日曜日)から二十四節気で16番目の節気『秋分』に入ります。22日は秋の彼岸の中日でもあります。前回も書きましたが、天の軌道と地の軌道の接点が春分であり、秋分です。年に二回しかないこの日は区切りにふさわしい日です。
今は彼岸の最中でもありますが、彼岸は季節の変わり目でもあります。「暑さ寒さも彼岸まで」というのは、彼岸の頃になると寒暑ともに峠を越してしのぎやすくなるという意味です。
もうひとつ、風水では「運不運も彼岸まで」という言葉もあります。それは、今まで「ついてなかった」人は彼岸を境に運気が上がることもあるし、「ついてる」人は慢心すると運気が急降下することもあるという意味です。
今期のカードリーディングは、彼岸の中日である秋分にふさわしい内容でした。
今はひとつの区切りなのに、それに気づかないで現状を維持しようとする流れが強いようです。タロットでは前期に引き続きワンドの8が逆位置で出ています。
このカードが上下揃った正しい位置ででれば、「火のエネルギーが大地に到達する」=プロジェクトは満足する結果を迎えるであろうことが予想されます。
またこの絵の棒は別名「愛の矢」でもあるので、キューピッドの矢が象徴するように恋愛に夢中になる可能性もあります。でも今回は逆位置で出ているので「愛の矢」は「嫉妬と口論の矢」に変化します。自分と相手の双方の心の中にある疑いと混乱が原因になっているかもしれません。
でも今回このカードが意味することは、「なかなか大地に到着しない」です。終わりが望まれているのに、決着がつかないまま、現在の状況や傾向がそのまま続いていきます。そのまま続いてどうなるかというと、以下のカードのようになります。
このカードはデッドエンド、行き止まりを表します。
降参して受け入れるのが解放の鍵です
受け入れがたいかもしれませんが、これまでずっとやってきたのと同じやり方では、これ以上進めない場所へ来てしまったようです。
おそらくあなたはレンガの壁に突き当たってしまったのか、深い喪失感を体験し、どちらを向けば良いのかわからないのでしょう。これから先、引き続き上を向いて進んでいくためには、古いやり方を全部、捨てなければなりません。新たな方向と戦略が求められています。
唯一の方法は降参することです。あるがままに物事を受け入れ、次に何をすべきかわからないことを認めましょう。もし、あなたが心からの解放の瞬間の中で待っていれば、魔法のように階段が現れ、あらゆるシンクロニシティ(意味ある共時性)がより高い場所を見せてくれるでしょう。
岩底のカードは奇跡が起ころうとしていることを示していますが、それはあなたが完璧に手放すことで初めて起こる、という合図です。
The Map Oracle Cards
大きな流れとして「区切りをつけること」が望まれているようですが、それを嫌がる気持ちが強いようです。それは変化を嫌がる気持ちが根底にあるからです。
最近私はアイリーン・キャディの本を再読しています。アイリーン・キャディは、北スコットランドにあるフィンドホーンを作った方です。フィンドホーンは荒地で人が暮らすような場所ではなかったにも関わらず、木が生い茂り、巨大な農作物が実る場所になりました。そのはじめは、アイリーンと他二名がそれぞれ自分の中の静かな小さな声をガイダンスにして行動していった結果でした。
『Opening Doors Within 心の扉を開く』という本は、アイリーンが日々受け取ったガイダンスを365日にわけて書いてあります。今回のカードリーディングで一番のメッセージは何かな?と思いながら本を開いたら、以下でした。
人生は変化です
いつもあなたの前には、梯子(はしご)の次の段があなたの挑戦を待っています。
弱気になることなく、 常に最上段を目指して登り続けなさい。
人生は進展であり、 変化であり、成長なのです 。いかなる人も同じところにとどまっていることはできません。 自然が静止することもありません。自然は絶えず変化し、拡大し、一つの段階から次の段階へと成長し続けます。
どんぐりは堂々たる樫の大木になり、球根は美しい花を咲かせ、種子は豊かな穀物を実らせます 。変化は休みなく続いているのです。
もしあなたの中に絶えず変化が起こっていないとすれば、きっとどこかに問題があるのですから、その正体を突き止めて、手を打たなければなりません。
変化に逆らおうとはしないで、変化を受け入れ、変化とともに流れなさい。
それは必ずしも快適とは言えないかもしれませんが、少しぐらいの不快感は喜んで受け入れなさい。
やがて輝くばかりの新しい種子が、あなたの中で芽を吹き、成長して、あなたを光と愛とインスピレーションに満ちた、全く新しい人間に変えてくれるでしょう。
アイリーン・キャディ『心の扉を開く』3.26
私は昔から、ローマが終わって中世に変わるときや、平安の貴族社会が終わって武家社会に変わるときなど、劇的な時代の変化のはずなのに、なぜそうなったのか、具体的に何が起きて終わったのかわからなくて謎のままでした。わからないながらも調べてみると、大体最盛期を迎えたときに衰退につながる出来事が起きています。
たとえば藤原道長が「この世をば我が世とぞ思ふ 望月の欠けたることもなしと思へば」という絶頂期の歌を詠んだとき、30過ぎた息子の藤原頼長にはいつまで経っても子どもがいませんでした。むしろ天皇に嫁いだ道長の娘たちやその母親の世話というか、わがままに付き合わされたせいか、女自体に興味がなくなったような気配もあります。自分の娘を天皇に嫁がせて権力を握るシステムは、表面上は違っても頼長のときには崩壊しており、院政の時代につながります。
娘たちを利用して権力を握り、同じ娘たちにより権力を逃していくというのが絶妙です。崩壊と書きましたが、崩壊が起きていたのは道長最盛期のときなので、物事が絶頂期にあるときは、終わりがはじまっています。それは衰退の絶頂期にあるときは新しい何かがはじまっているということでもあります。
カードをみると、今は衰退の絶頂期のような感覚を持ちます。
その件はすでに解決しています
このカードは、尋ねている状況が幸いにも完結したことをあなたに告げています。
天使がひそかに働き、悩みの種を解消してくれたのです。問題がどのように解決したのかまだわからなくても、それを信じてください。心配を手放し、万事うまくいっているという確信を持ってリラックスしましょう。
大天使ミカエルオラクルカード
この場合の「万事うまくいっている」は見えない世界を基準にした場合なので、見える世界では不愉快な状況もあるようです。それは新しいはじまりは衰退の絶頂期の中から生まれるからかもしれません。
先ほど引用したアイリーン・キャディの中にある『変化は休みなく続いているのです。もしあなたの中に絶えず変化が起こっていないとすれば、きっとどこかに問題があるのですから、その正体を突き止めて、手を打たなければなりません。変化に逆らおうとはしないで、変化を受け入れ、変化とともに流れなさい。それは必ずしも快適とは言えないかもしれませんが、少しぐらいの不快感は喜んで受け入れなさい。』というのがこのカードの意味です。
変化に伴う不快感は受け入れるとしても、余計なことまで背負う必要はありません。今は季節の変わり目でもあるので、体調には注意が必要です。
このカードは「自己防衛」のカードです。今のあなたはエネルギーや感情にとりわけ敏感なので、心穏やかに過ごせる環境に身をおくことを勧めています。
長く書きましたが、今期は「慣れ親しんではいるけれど、今のあなたには役立たない古いものを捨て、新しい生き方をはじめなさい」というのがメッセージです。秋分にふさわしく、「区切りをつけなさい」と背中を押しています。
具体的には以下のカードがわかりやすいと思います。
選択肢を探る
あなたは快適な生活環境を築くために懸命に働いてきましたが、 今、他の方法を探る時が来たのです。
あなたの対処能力、適用能力は賞賛に値しますが、大天使ミカエルは、常に自分に忠実に、偽りなく行動することが重要だと念を押しています。
ミカエルが、あなたのニーズを優しく愛に溢れた形で満たしてくれるので、決して妥協すべきではありません。
《可能性のある意味》
・履歴書を用意して、新しい仕事を探す
・不完全な関係から離れ、その関係を手放してもひとりにならないことに気づく
・現状を修復する新たな手立てを見つける
・他の選択肢を調べる
・担当の専門家( 医師、セラピスト、弁護士など)を変える
・新たな可能性を空想してみる
・不可能はないことを肝に銘じる!
豊かさという意味では、今は衰退の時期かもしれません。
2019年に亡くなった橋本治という作家はまだ日本がバブルに浮かれていた頃『貧乏は正しい!』という本を書きました。絶頂期に衰退を見ていた感性は素晴らしいと感動します。その橋本治が生前のインタビューでお金に関して、
私みたいに「今月は(バブル期に抱えたローンを)払えるか、来月は大丈夫か」って自転車操業を繰り返していると、あんまり先のことは考えなくなる。
もともと「ある」お金が減っていく心配と、最初から「ない」お金を何とか稼がなきゃっていう心配は、根本的に質が違う。
逆にいえば、ないほうが楽天的になれるかもしれませんよね。心配したって、お金が増えるわけじゃないんだもん。
と言っていました。彼は30年かけて5億くらいを銀行に納めたそうです。そして借金を返済してしばらくしたら亡くなってしまいました。それでも、借金があったからたくさん書けたようだから、借金が財産を産んだともいえます。
今期、何かが行き詰まってしまったら、あなたが新しい選択肢を探るチャンスです。
良い日々になりますように。
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