白露から秋分へ ― 揺れる選択から、静かな中心へ
白露の季節に現れたソードの2(逆位置)は、「見ないふり」を続けられなくなる時を告げていました。
先延ばしにしてきた選択や、曖昧にしてきたことが心の表面に浮かび上がり、揺れ動く姿を映し出していたのです。
そして秋分。
昼と夜が等しくなるこのとき、再び同じソードの2が逆位置で現れました。
それは「迷いを越えて、本当の自分の中心に戻るとき」が来ていることを告げています。
――結局のところ、大切なのは「どこに誠実さを置くか」。
外の期待や幻想に流されるのではなく、**自分自身へのHonesty(誠実さ)**を取り戻すこと。
そこから秋分のリーディングは始まっていきます。
タロットリーディングからの流れ
秋分前半のタロットでは、ソードの10が「幸運」の位置に出ました。
一見もっとも厳しいカードですが、そこに秘められていたのは「終わりを受け入れた先に訪れる夜明け」でした。
この「終わりと再生」のテーマを、秋分後半のオラクルカードはより具体的に描き出してくれています。
秋分後半のオラクルカード
1枚目:Dry Desert(乾いた砂漠・逆位置)― テーマ/課題
幻想に惑わされず、「ここではない」と認める勇気。
蜃気楼の輝きは魅力的に見えても、それは井戸のない場所。
今の状況に執着しなくてよいという、祝福の警鐘です。
ここで示されているのは「幻想を追わないこと」。
今いる場所や状況は「正しい場所ではない」と明確に伝えています。
けれどもそれは「間違っているからダメ」という意味ではなく、
もっと豊かで充実する場所へ導かれるための合図。
ソードの2逆位置の「目をそらさず直視する」ことと同じように、
「ここではない」と認めることが、前進のための祝福になるのです。
2枚目:Talisman(護符・正位置)― 今取り組むべきこと
これまでの経験こそが、道を照らすお守り。
ここでのメッセージは「知恵はもうあなたの中にある」。
経験を通して学んだレッスンが、まさにお守り=タリスマンとなっています。
迷いながらでも、道の罠やパターンを見抜く力が備わっている。
幻想を抱いていることが無意識すぎてわからなくても、今までの道を振り返れば答えがある。
秋分タロットの「女教皇逆位置」とも響き合い、
外の情報に惑わされず「自分の直感を信じる」ことで、最善の選択ができる段階に来ています。
3枚目:Commitment(コミットメント・正位置)― 結果
このカードが示すのは「本気の関わり」。
誰かとの信頼関係、自分の最高の姿との誓い、スピリットとの約束。
いずれにしても「責任をもって向き合う」ことが、新しい未来を形づくります。
Commitment(コミットメント)の意味
「Commitment」は単なる「約束」ではありません。
英語には 「責任をもって関わること」「結果に専念すること」 というニュアンスがあります。
一方で Promise(プロミス) は、言葉で交わす約束や宣言を意味します。
つまり、Promise=「口にする約束」、Commitment=「生き方で示す約束」。
オラクルカードでのコミットメントは、
- 誰かとの信頼関係を深めること
- 自分の最高の姿への誓い
- 神聖な存在とのパートナーシップ
を含みます。
つまり、軽い「約束」ではなく――
🌒 「心から本気で関わり続ける」 というメッセージなのです。
ソードの10の絵に隠された意味
ソードの10は背中に10本の剣が突き立つ衝撃的な絵柄ですが、そこには深い象徴があります。
- 10本の剣
最終的な決着、これ以上はない徹底した終焉。逆に言えば、ここからは上昇しかないという合図。 - 水平線の朝日
暗い空の奥には新しい夜明けが待っています。 - 祝福の手
倒れた人物の片手は「祝福(ベネディクション)」の形。
苦痛の中にも神聖な導きがあることを示しています。
このカードが「幸運」の位置に出たのは、
「終わりを受け入れること自体が祝福」 であると告げるためでした。
秋分後半のメッセージ
秋分前半のタロット「ソードの10」と「女教皇逆位置」、
そして秋分後半のオラクル「Commitment」は一本の物語としてつながっています。
- ソードの10 → 終わりを受け入れる勇気
- 女教皇逆位置 → 外に答えを求めず、自分の直感に戻る勇気
- Commitment → 本気で関わる=自分の中心と誠実に向き合う勇気
つまり秋分が私たちに伝えているのは――
🌒 「自分自身とのHonesty(誠実さ)」が、新しい始まりを生む ということ。
結び
外に幻想を求めるのではなく、学びを胸に刻み、自分の中心に戻る。
そのとき、ソードの10の痛みは「再生」へと姿を変え、
オラクルのCommitmentが示す新しい結びつきへと導かれていきます。
秋分は昼と夜が等しくなる季節。
内なる光と影もまた、均衡を求めています。
静けさの中で自分に問いかけましょう。
――「私は本当は何に誓いを立てたいのか?」
ビリー・ジョエルが歌ったように、誠実さ(Honesty)は、名声や愛よりも尊く、誰もが本当に探し求めているもの。
この秋分のキーワードもまた、Honesty――。
それは他人に対する義務ではなく、自分自身にいかに誠実でいられるかということ。
その誠実さこそが、新しい約束を結び、未来を確かなものにしていく力になるようです。
次回のカードリーディングは10月8日『寒露』になります。
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