初夏の風が、木々の葉をゆらしながら通りすぎていきます。
草花は静かにふくらみ、
小さな命が、地面の下で確かなリズムを刻んでいます。
二十四節気・小満――
それは「少しずつ満ちていく」季節。
「今ここに在る」自分の感覚を、
誰とも比べずに感じる時間です。
前回、小満の節気に合わせて引いたタロットカードは、
「新たな芽吹きには慎重さが必要」というメッセージをくれました。
- ペンタクルのエース(逆)と魔術師(逆)は、
“始めようとしている何か”が、まだ本当の願いと結びついていない可能性を告げています。 - ソードのクイーンとソードの5(逆)は、
感情ではなく、静かな知性や手放しの力を頼りにしながら、
「勝たなくていい、守らなくていい。ただ、自分の真理を信じていい」
という静かな強さを伝えてくれました。 - そして、4月から何度も正位置で出ていた「世界」のカードが、今回はじめて逆位置で、
しかも「注意すべきこと」を示す場所に現れました。
世界のカードは、完成・統合・調和の象徴。
逆位置で出るとき、それは「完了したように見えても、まだ心がそこに留まっている」ことを示します。
今は、安心や習慣にしがみつかず、
「ありがとう」と静かに祈って、
自分の手で扉を閉じる時。
終わりを終わらせてこそ、ほんとうの新しい世界が始まります。
このような流れのなかで迎える今回の新月。
今度はオラクルカードに、内側の声をさらに深く聞いてもらいましょう。
そして明日は、新月。
あたらしい願いが芽吹くために、
傷つきやすさも含めて、
自分をまるごと抱きしめるようなリーディングになりました。
2025年5月27日 双子座新月に意識したいこと
1. どんなことばを信じて生きるか、問い直すとき
竜の隠れ家(逆位置)は、「見せかけの豊かさ」や「外から与えられた言葉」に引き寄せられていないかを警告しています。
双子座新月は「選ぶ・つながる・伝える」がテーマ。 このとき問われているのは、
「あなたはどんなことばを、自分の内側で信じて生きているのか?」
たとえば——
- 「ちゃんとできていないとダメ」
- 「人から評価されないと意味がない」
- 「誰かに守られないと不安」
そういった“無意識に繰り返していることば”が、 あなたの行動や選択の軸をずらしているかもしれません。
この新月は、その「ことばの種」を静かに選び直す時間。 自分の中にある、もっとやさしくて静かな声を聞き取り、 そこから選ぶことで、真の調和と光の道がひらいていきます。
2. 引き算の選択をしても大丈夫
「調和の行為」のカードが正位置で出ていることから、
今は「混乱を整理し、釣り合いを取り戻すこと」が人生の流れを整える鍵になります。
ここでのポイントは、
引き算の選択をしても大丈夫だと、自分に許してあげてください。
- 無理な人間関係を見直す
- 生活のなかで自分を後回しにしていることに気づく
- 情報を減らして、自分の本音が聞こえる時間をつくる
何かを「やめる」「減らす」ことは、決して後退ではなく、
本当に大切なものを浮かび上がらせるためのやさしい魔法です。
双子座新月は、自由にことばを選び直すタイミング。
義務感のことばから、自分の心が響くことばへ。「こうしなきゃ」ではなく、「こうして生きたい」という声を選び直すときです。
つまり今回は、もっと軽やかに…
“これをしなければならない”という義務感から、自分を解放する新月なのです。
3. 「犠牲者の仮面」に気づき、脱ぐ勇気
「聖なるプール(逆位置)」が最後に出たことは、とても象徴的です。
これは「自分の光を小さく見積もってしまっている人」への、やさしくも厳しいメッセージ。
- 私には無理
- どうせ認められない
- 私ががんばっても誰も見ていない
そう思って、自分の光を封じ込めていませんか?
“傷つきたくないから黙っている”という選択は、
もうこれからの人生には必要ないのかもしれません。
この新月は、
「わたしのままで光を放っていい」と、内側から自分に許可を出すタイミングです。
義務感から自由へ “わたしの声を取り戻す新月の入り口”
今回の双子座新月は、「自分にとってほんとうに価値あることば」を選び直す時間です。
他人のことばに自分を合わせすぎていた感覚から、そっと距離を取って、“わたしのままの声”を取り戻していく。
それは、静かな光を生きるという選択。
「光を生きる」って、どういうこと?
「光を生きる」とは、
他の誰でもない“わたし”という存在に、
ちゃんと居場所をあげること。
それは、何かを証明するためでも、
誰かに見せるためでもなくて、
自分がほんとうに大切だと思うものを、
静かに選び続けることだと思います。
たとえば――
- ひとりの時間を丁寧に過ごすこと
- 自分の気持ちに正直であろうとすること
- 小さなことにも心をこめること
- できなかったことより、できたことを見つけること
そうした日々の小さな選択のなかに、
その人だけの「光のかたち」があります。
光を生きるとは、
うまくできても、できなくても、
比べられても、見過ごされても、
それでも今日も、
“わたしである”という選択をして生きること。
この新月が、その灯りをやさしく照らしてくれますように。
おわりに
小さな声を大切にしてあげてください。
誰かの言葉ではなく、あなたの中から生まれる本当の声に耳を澄ませる時間です。
比べなくていい。
急がなくていい。
たとえ小さなつぶやきでも、あなたが選んだことばは、あなた自身を照らす光になります。
この新月が、
あなたの中の「本当のことば」と再会する静かな入口になりますように。
次回のカードリーディングは6月5日『芒種』になります。
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