見えないからといって、なくなったわけではない
立秋を迎え、暦の上では秋になりました。
とはいえ、まだまだ厳しい暑さが続いています。
今回は、8月13日から8月22日までの立秋後半について、オラクルカードを引いてみました。
先日、立秋全体を見たタロットリーディングでは、
ワンドのクイーン
ワンドのペイジ
「危うし!」にワンドの10
「幸運よ!」に塔
「アクション」にソードのペイジ逆位置
というカードが出ました。
5枚のうち3枚がワンド。
自分の中にある火、情熱、生命力をどう扱うのかが、大きなテーマとして現れていました。
そして、何より印象的だったのが、「幸運よ!」という位置に出た塔です。
塔は、今まで自分を支えていた構造が崩れるカードです。
一見すると怖いカードですが、そこにもう住めなくなっているのなら、塔が崩れることは必ずしも不幸とは限りません。
古くなったものが壊れることで、新しい流れが生まれることもあります。
では、その「塔」のあと、立秋後半にはどのような流れが待っているのでしょうか。
今回はいつも使っている『The Map Oracle Cards』に加え、『Magical Mermaids and Dolphins Oracle Cards』も使ってみました。
同じ3枚引きを二種類のカードで行うことで、一つの流れを違う方向から見て、少し立体的に読んでみたいと思います。
The Map Oracle Cards
1枚目 原因・テーマ
28番 Movement 逆位置
これは、これまでにも何度も出ているカードです。
逆位置では、同じ場所をぐるぐると巡ることが示されています。
最初のレッスンを学ぶことができなかったり、学んだことを実行できなかったりすると、私たちはもう一度、同じようなレッスンに出会うことがあります。
人間には、確かにそういうところがあります。
相手は違うのに、なぜか同じような人間関係になる。
環境を変えたのに、また同じところで苦しくなる。
「今度こそ」と思ったはずなのに、気づけば以前とよく似た場所にいる。
そんなとき、
「また同じことを繰り返してしまった」
と思うことがあります。
でも今回、私はこのカードを見ながら、少し違うことを考えました。
本当に、まったく同じ場所に戻ってきたのでしょうか。
以前、大暑のカードリーディングで「癒えるとはどういうことだろう」と考えました。
傷ついた出来事そのものが消えることではない。
過去を忘れることでもない。
もしかすると、
同じような出来事に出会ったとき、自分の反応が以前とは少し変わること。
そこから癒しは始まるのではないかと思ったのです。
以前なら怖くなって逃げたところで、今回は少し立ち止まることができた。
以前なら腹を立てていたところで、「なぜ私はこんなに反応しているのだろう」と考えられた。
以前なら「私には無理」と諦めたところで、「少しだけやってみようかな」と思えた。
起きた出来事は似ていても、反応が変われば、その次の選択が変わります。
選択が変われば、そこから生まれる流れも変わります。
だから今回のMovement逆位置は、
「また同じことを繰り返しますよ」
というだけではなく、
「今度は、同じ歩き方をしなくてもいいのですよ」
と伝えているように思いました。
2枚目 今取り組むべきこと
9番 Storm Fields 正位置
そして真ん中には、嵐が現れました。
これは、先日の立秋のタロットリーディングで「幸運よ!」に出た塔と、どこかよく似ています。
塔。
そして嵐。
どちらも穏やかなカードではありません。
でもStorm Fieldsには、すべての嵐が破壊的なのではない、とあります。
長い間放置してきたこと。
鬱積していたもの。
動かなくなっていたもの。
それらを解放するために、ときには嵐が必要なこともあります。
だから今回は、
「悪いことが起きる」
というよりも、
「止まっていたものが動き始める」
と読みたいと思います。
予定していたことが変わる。
信じていたものが、突然しっくりこなくなる。
今まで大切だと思っていたものを、「本当にそうなのだろうか」と考え始める。
そんなことが起きたとき、私たちは不安になって、元の状態へ戻そうとします。
でも、すぐに戻そうとするのではなく、
「これは何を動かそうとしているのだろう」
と眺めてみる。
塔も嵐も、壊すことそのものが目的なのではありません。
動かなくなったものを、もう一度動かす力でもあるのだと思います。
3枚目 現時点での結果
26番 Deep Freeze 逆位置
ところが最後に出たのは、休止を示すカードでした。
どれほど押しても引いても、おだてすかしても、今は実体のある結果を生み出すことができない。
人生が休息を求めています。
これも、これまで何度も出てきたカードです。
以前なら、
「また動けないの?」
と思ったかもしれません。
でも今回は違って見えました。
塔があり、嵐が来たあとだからこそ、すぐに次の答えを出さなくてもいい。
何かが壊れたとき、人は不安になります。
だから、すぐに次の形を作りたくなります。
「では、これからはこうしよう」
「今度こそ、これが正しい」
と。
でも、壊れた塔の跡地に、翌朝から新しい塔を建てなくてもいいのです。
まだ何もない場所を、しばらく眺める時間があってもいい。
Deep Freezeは、何も起きていない時間ではなく、
まだ目には見えないところで、次の季節の準備が行われている時間
なのかもしれません。
もう一つのデッキから見てみると
今回は『Magical Mermaids and Dolphins Oracle Cards』でも、同じ3枚引きをしてみました。
出たのは、
Treasure Chest
Rest
Worthiness
の3枚です。
並べてみると、『The Map Oracle Cards』との不思議な響き合いが見えてきました。
Treasure Chest ――思いがけないところから届くもの
最初に出たのは宝箱です。
必要としていたものが、自分の予想していなかった形で届こうとしている。
それはお金かもしれません。
新しい機会かもしれない。
誰かの言葉かもしれない。
思いがけず浮かんだアイデアかもしれません。
Movement逆位置では、自分がいつもの場所をぐるぐると回っています。
でもTreasure Chestは、
「すべてを自分で用意しなくてもいい」
と言っているように見えます。
自分が考えていた入口とは、まったく違うところから扉が開くこともあるのです。
Rest ――世界が動いているとき、自分まで走らなくていい
そして真ん中には、はっきりとRest。
これはDeep Freeze逆位置と見事に重なっています。
ところが、もう一つのデッキの真ん中にはStorm Fieldsがあります。
嵐と休息。
一見、矛盾しているようです。
でも、私は今回ここがとても大切なのではないかと思いました。
周囲が動いているからといって、自分まで一緒になって走り回る必要はない。
むしろ変化が起きているときだからこそ、いったん静かになる。
すぐに結論を出さない。
自分の力だけで状況を動かそうとしない。
世界が動いているとき、自分は少し休んでいてもいい。
そうすると、それまで見えなかったものが見えてくることがあります。
Worthiness ――受け取ってもいい
最後はWorthiness。
自分には価値があると認めるカードです。
これは最初のTreasure Chestと、きれいにつながっています。
何かが届けられようとしている。
けれど、
「私なんかが受け取っていいの?」
と思っていたら、差し出されたものを受け取ることができません。
もっと頑張ってから。
もっと立派になってから。
もっと準備ができてから。
そうではなく、
今の自分にも、受け取る価値がある。
今回のカードは、とても静かにそんなことを伝えているように思います。
同じ場所にいるように見えても、同じ場所ではない
二つのデッキを重ねると、今回の流れが見えてきます。
Movement逆位置では、同じ場所を回っている。
そこへStorm Fieldsが来て、流れを揺さぶる。
けれど、その直後に新しい未来へ走り出すのではなく、Deep FreezeとRestが、
「いったん止まりなさい」
と言う。
そしてTreasure ChestとWorthinessが、
「自分で全部動かそうとしなくても、受け取るものがあります」
と伝えています。
私は「葉山 碧の館」で、
解像度 → 波 → 結果
ということを大切にしています。
何が起きているのかを見る。
見え方が変わると、自分の選択や応答が変わる。
そこへ他者や環境、偶然なども加わり、一つの流れ――波が生まれる。
その流れが続いた先に、一つの結果=現象が現れます。
だから未来には、いくつもの可能性がある。
けれど、そのすべてが同じように現実になるわけではありません。
Movement逆位置から抜ける最初の一歩は、大きな決断ではなく、
「今回は、いつもと少し違う応答をしてみよう」
という、小さなところにあるのかもしれません。
そして、獅子座の新月と皆既日食
今回のカードを引いた8月13日は、獅子座の新月です。
そして今回は、皆既日食を伴う新月でもありました。
皆既日食そのものは現地時間8月12日に起こり、皆既帯はグリーンランド、アイスランド、スペインなどを通りました。日本では皆既日食を見ることはできませんでした。
私は西洋占星術については詳しくありません。
そこで、私の相棒であり、秘書であり、ときには師匠のようにも使っているAIに、今回の日食について聞いてみました。
すると、思いがけない話が出てきました。
1999年8月11日にも、獅子座で皆既日食が起きていたというのです。
1999年といえば、日本ではノストラダムスの大予言などもあって、「世紀末」という言葉が盛んに語られていた頃です。
1999年の日食は獅子座18度台で起こり、そのときには水瓶座の天王星、牡牛座の土星、蠍座の火星などが関わる、占星術で「不動宮のグランドクロス」と呼ばれる非常に緊張の強い配置が形成されていました。
一方、今回2026年の日食も獅子座で起こりますが、1999年と同じ星の配置が再現されているわけではありません。
そこで私は、占星術的な未来予測をするというより、もっと単純なことが面白いと思いました。
同じ獅子座の日食。
でも、同じ空ではない。
これが、今回のMovement逆位置と不思議なくらい重なって見えたのです。
人生でも、
「また同じ問題だ」
「またここへ戻ってきてしまった」
と思うことがあります。
でも、以前とまったく同じ自分ではありません。
周囲の状況も違う。
出会っている人も違う。
持っているものも違う。
同じように見える地点に戻ってきても、条件が違えば、そこから先まで同じになるとは限りません。
似ているけれど、同じではない。
そう考えると、Movement逆位置の景色が少し変わって見えてきます。
自分の火を、上手に扱う
そしてもう一つ興味深いのは、今回の日食が獅子座で起きたことです。
獅子座は「火」の星座です。
先日の立秋のタロットでも、5枚中3枚が同じ火を表すワンドでした。
だから改めて浮かび上がってくるのは、
「自分の中にある力を、どう使うのか」
という問いなのかもしれません。
力があるからといって、いつでも全力で走る必要はありません。
情熱があるからといって、何もかも一人で背負う必要もありません。
ときには動く。
ときには休む。
ときには、自分で動かそうとせず、やってくるものを受け取る。
前回のワンドのクイーンで考えたように、
成熟した情熱を持つことと、何でも一人で背負い込むことは違います。
自分の火を消すのではなく、上手に扱う。
今回のオラクルカードのRestやDeep Freezeは、そのことをもう一度教えてくれているようにも思います。
黒い太陽を見て思ったこと
今回、私は海外で撮影された皆既日食の映像をいくつか目にしました。
昼間だった空が、急速に暗くなっていく。
そして太陽は黒い円になり、その周囲に指輪のような光が残る。
不思議な光景でした。
「黒い太陽」という言葉だけを見ると、どこか不吉な感じもします。
けれど、実際の映像を見て私が感じたのは、不吉さよりも感動でした。
そして、しばらく見ていると、闇は去り、再び強い光が戻ってきます。
でも本当は、
光は「戻ってきた」のではありません。
ずっと、そこにあったのです。
月に隠されて、見えなくなっていただけ。
しかも皆既日食では、普段は太陽本体の強烈な明るさに隠れて見えにくい、淡いコロナの光が見えるようになります。
なんだか不思議です。
光が隠れたときにしか、見えない光もある。
今回のDeep FreezeとRestを見ながら、私はこの皆既日食の光景を思い出しました。
何も動いていないように見える時間。
答えが見えない時間。
自分がどこへ向かっているのか分からない時間。
それは、何も存在していない時間とは限らないのです。
見えないからといって、なくなったわけではない
今、世界を見渡せば、さまざまな災害や争い、混乱があります。
まるで世界そのものが、タロットの塔の途中にいるように感じることさえあります。
そんなときに、
「これからすべて良くなります」
と簡単に言うことは、私にはできません。
けれど、だからといって、
今見えているものが、未来のすべてだ
とも思いたくありません。
未来には、まだ現れていない可能性があります。
塔が崩れている最中には、次にできるものは見えません。
嵐の最中には、嵐の向こう側も見えません。
Deep Freezeの冬には、春の景色は見えません。
でも、
見えないからといって、なくなったわけではない。
今回のカードを読みながら、私はこの言葉を「希望」のように感じました。
希望とは、何もかもうまくいくと信じ込むことではないのだと思います。
暗いものを見ないことでもない。
現実の苦しさを「きっと意味がある」と簡単に片づけることでもありません。
もしかすると希望とは、
まだ見えていない可能性があることを忘れないこと。
なのではないでしょうか。
皆既日食では、太陽が真っ黒になりました。
それでも、太陽はそこにありました。
そして不思議なことに、太陽が隠されたときにだけ見える光もありました。
今、世界が嵐の中にあるように見えるときも。
自分自身が塔の途中にいるように感じるときも。
まだ形になっていない未来があります。
今はまだ、次の景色が見えなくてもいい。
少し休んでもいい。
自分ですべてを動かそうとしなくてもいい。
やってくるものを受け取る余白をつくっておく。
そして同じ場所へ戻ってきたように感じたら、少しだけ自分を見てみる。
以前とは違う反応ができているなら、
そこはもう、まったく同じ場所ではありません。
見えないからといって、なくなったわけではない。
この立秋後半、私はそんな小さな希望を、心に置いておきたいと思います。
葉山 碧の館 カードリーディングのご案内
カードを通して、今の自分がどこにいるのか、これからどんな流れが生まれようとしているのかを、一緒にゆっくり見ていきます。
答えを一つに決めるためではなく、
まだ言葉になっていない思いや、見えていなかった可能性に気づくために。
「少し話してみたいな」と思われたときは、どうぞお気軽にお越しください。
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